看護とドイツ語の今と昔

医療や看護で用いる言葉は、以前はドイツ語が主流でした。
医師がカルテに書く文章もドイツ語が用いられ、カルテを読解する看護師もドイツ語を覚えていなければ仕事にならなかったのです。
そのため、看護学校や看護師養成過程のある大学などでもドイツ語は必須科目でした。
近年では、欧米化の波が医療分野や看護分野にも進出し、昔使っていたドイツ語のほとんども英語や日本語に置き変わるようになりました。
医師や看護師を養成する学校でもこれまで必修だったドイツ語ですが、今では英語に変わりドイツ語はほんの少ししか授業を行っていないようです。
なぜ、このように医療や看護といった分野でドイツ語が主流として使われていたのでしょうか。
日本に医学が伝わったとき、オランダやドイツなどといった西洋の医学を中心に学んでいました。
歴史にも「蘭学事始」とあるように、西洋の医学がそのころ発達していたのです。
そのため、日本に伝わってくる医療の文献や日本に医学を伝える医師もドイツ語圏の医師が中心でした。
そのドイツ語圏から来た医師の言葉や文献を理解するためにドイツ語は必要だったのです。
医師がドイツ語でカルテなどを書くことにより、カルテを読解する看護師もまたドイツ語は必要でした。
しかし、医療や看護の進化が進みだすと、ドイツなどといった西洋の医療よりもアメリカやニュージーランドなどといった英語圏の医療を取り入れる必要性が出てきました。
そこで、今まで使っていたドイツ語から英語へ変わるようになったのです。
現在は医師はカルテにドイツ語で書き込む必要はなくなり、日本語と英語を織り交ぜて書いている医師がほとんどです。
医師がドイツ語を使わなくなったため、看護師もドイツ語を勉強する必要がなくなり、現在では看護師養成課程を教える学校ではドイツ語ではなく、英語を必須科目にしているようです。

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